エプロン少年と変態さん

2/11
2650人が本棚に入れています
本棚に追加
/411ページ
洸や弘斗に俺の部屋、『美術準備室』をもらって3日目の放課後。 俺は制服にエプロン姿という妙な格好で校内を走り回っていた。 ガラッ 「失礼しまーす。竹中先生いますか?」 「おお、姫川。どうした?」 久々登場。 俺の担任、竹中信夫(タケナカ ノブオ)先生 54歳。 優しい物腰にゆっくりな話し方。 恰幅のいい愛らしい先生でいらっしゃる。 俺の周りはドSや腹黒や騒がしい奴ばっかりだから、先生といると和むんだよ、これが。 で、なんだかんだ仲良くなった。 「ゴミ袋大量にちょうだい!」 「まだ部室の掃除終わらんのか?」 「うん。何か予想以上にスゲー事になってってさ…掃除するだけで命がけなんだよ。」 そう。 部屋をもらった次の日、俺は準備室の戸を開けた。 するとそこはまさに―…何だろう? あんなに散らかった部屋を見た事が無い。 埃まみれで、クモの巣だらけ! 本や机や椅子がいくつも積み重なっていて、触れれば今にも倒れて来そうで毎回恐ろしい。 足の踏み場もないとはまさに、あの部屋の事を言うのだと俺は思った。 「それは大変だな。怪我しないよう気を付けろよ?」 「うん!ありがとう。」 竹ちゃんの優しさが身にしみる今日この頃です…
/411ページ

最初のコメントを投稿しよう!