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■直哉side
「あいつら変わったなー…」
以前の洸たちなら、ポッと出の奴の言う事なんか聞かなかったのに。
楽しそうに姫を囲む5人に目を細めていると、後ろから声をかけられた。
「あれ、二木先生。中に入られないんですか?」
「ああ、竹中先生。」
姫の担任のこの人は、新米でこんなナリの俺にも丁寧に接してくれるいい人だ。
姫が懐いているのも納得できる。
「竹中先生こそ、どうしてこちらへ?美術室には誰も近寄らないのに…」
教師ですら訪れないココは、いわば彼らの無法地帯―…
「いえね、姫川の様子が気になって見に来たんですよ。」
「そういえば、さっき職員室に来ていましたね。」
楽しそうに、嬉しそうに竹中先生と話す姫。
姫が打ち解けている先生は、この人くらいじゃないだろうか…
「彼はいい子だ。ただ、よく眠そうにしているのや、私と話す時の表情が気になってね…」
よく寝ると言うのは聞いているが…
「表情…とは?」
「何というか、凄く嬉しそうでしてね。」
「それは先生に懐かれているからでは?いつも微笑ましく思っていましたが…」
「私としても嬉しいのだが…何というか…」
恐らく直感なのだろう。それを口頭で説明するのは難しい。
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