チビでモヤシは役立たず?

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■唯人side 片付けも終盤。 部屋の掃除、資料や画材の片づけは全て終え、残るは大きな像や画板。 「やっと普通に歩ける…」 ここまでの道のりは長かった… 俺1人では運べない机はみんなが手伝ってくれた。 その机を部屋から出すために、二木先生には学校側に頼んでもらって… みんなの協力あってこそだな。 さすがにこれ以上は悪いので、あとは1人でやると決めた。 「よしっ!今日で終わらせてやる。」 意気込んで片づけを始める。 準備室にはガス台や流しがあったから、今度みんなにお茶でも淹れてあげようかな。 画板や道具を収納するために、埃を被った棚を拭く事にした。 下の方は大丈夫なんだけど… 「上が届かない…」 棚の高さが天井近くまであるのだから仕方ない。 そう! 上が届かないのは棚が高いからであって、決して俺の身長のせいではないっ。 現実逃避をしていても仕方が無いので、椅子の上に立って掃除する。 「この椅子、足ガタガタじゃん。」 なぜ乗る前に気付かない、俺… 「よし、あとはここだけ…―っ!」 グラつきながらも背伸びして棚の奥に手を伸ばした時―… バーンッ 「唯人―!遊びに―…」 「うわぁっ!?」 「えっ、」 ドーンッ ガラガラガラ 「…―っ唯人!!」 ん、なんだ? 耳元で何か聞こえる。 ズキンッ 痛っ、 何だコレ、頭痛ってー… 「おい、唯人!大丈夫か!?」 大声が聞こえて目を開ける。 「あ…新…?」 目の前には今にも泣き出しそうな新の顔。 何でそんな顔してんの… 「唯人いけるか?どっこも怪我してへん?吐き気とかない?」 「あぁ…頭痛いけど、大丈夫。」 どうやら俺は、突然の新の登場に驚いてバランスを崩して転倒。 その際に頭を強打&巨大な画板や像の下敷きになり、一瞬意識を失っていたらしい。
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