二章《1st stage》

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「何でそんなこと!!」 柊斗がショックを受けたようで、瞳に怒りを浮かべながら双に詰め寄る。 「……」 「条件はみんな同じだろ!?なのに、俺らに来る敵を減らそうとしたって、何で!!」 「…死んでほしくないから」 「っ…」 双は顔を上げて、真っすぐに柊斗の目を見て答えた。 嘘も、偽りもない視線で、怒りは消えていった。 「でも…捕まったらお前が死んでたかもしれないんだぞ!?」 「皆が死ぬより、よっぽどマシだよ。 私だって死にたくない。生きて現実世界に帰りたいよ。 でも、それ以上に、…皆に死んでほしくないの」 それだけ言うと、また俯いてしまった。優は、双の腕を放した。 今まで会話したこともなかったのに、他の4人と同じ様に思われている。 それが、優から双への怒りを奪っていった。 「…もう、二度とすんなよ。俺らだって…お前に死んでほしくないんだよ」 「……ごめんなさい」 優は、双から離れた。 重くなってしまった空気を破ったのは翔亜だ。 「えっと…喋ってもいいか?」 誰も何も言わなかったが、全員がこちらを見た。それを肯定と受け取って話し出す。 「執拘部に追い出されるか、敵に見つかるかするまで、俺たちはここに籠ることになる。 それで提案なんだが、一人一部屋で基本は生活して、朝起きた時と、昼飯と、晩飯の時に、 絶対この部屋に集まることにしよう。まあ、特に意味はないんだがな」 了解、と全員が頷くのを見て、部屋割りを決めた。 この大部屋から見て、右側の3部屋に翔亜、柊斗、双。左側の3部屋に玲二、巽、優になった。
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