一章

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「大丈夫だ。望まない限り妹は巻き込まない。きっとそれまでには事も終わっているだろうしな。」 「………そうか。」 「あぁ。」  さて……。 「オッサンよ。残念ながらあんたの命はこれまでだ。」 「何だと!?ふざけるな!!こちらは話すことを話したじゃないか!!」 「あんたにはもう利用価値がなくなったんでな。」 「話したら助けてくれるんじゃなかったのか!!」 「あいにくそんなことは一言も言っていない。それに………」 「俺たちは、『悪』だぜ?」  死体は残さない。  この世には死体から情報を聞き出せる魔術もあるしな。 「まぁ残念だが、『消えな』。」  術式発動。  対象を指定し、存在を『消滅』させる魔術。  強力すぎて、自身の存在も消滅させてしまう可能性もあるような魔術だ。  うまく扱えるのは俺だけだから、いつも俺が『掃除』をしている。 「『消失の白』」 「何だ!?何をした!?」 「自分の足を見てみな。」 「は?足?」 そう言ってオッサンは自分の足を見た。
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