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「な、なんだこれは!?」
「だから、消滅魔術だって。文字通り対象を消滅させる魔術。」
オッサンの足首より下はもう消えていた。
「しょ、消滅魔術は人間には使えないはずだ!!」
「それが俺には使える。もちろんいろいろ制約はあるがな。」
「は、はっ!!ハッタリだな!!幻覚魔術で見せているに違いない!!」
「それならそう思っておけば。残念ながら俺は制約でゆっくりとしか消すことができないからな。」
ほらほら。そうこう言っている間にもう膝まで消えているよ。
「い、いいからこの魔術を解け!!」
「断る。俺たちの存在はあまり知られていいものではないのでな。まぁ死んどけ。」
「金か!?金なら払う!!だから助けてくれ。」
「おやおや?それは幻覚魔術だろう?ならお前は知らないはずだ。それに金はもうお前んとこの市民に還元したぞ。」
「お前ら意外といい奴だな。」
「汚れた金は還元すべし。」
これから死に行く奴に金は必要ないだろう。
「お前に許された行為は命乞いをすることと、死を待つことのみだ。」
「……嫌だ。嫌だ嫌だ!!死にたくない!!」
「…………なぁ。助けるわけにはいかないのか?」
「なぜに?」
助ける必要などないだろうに。
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