一章

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「えーっと……まずは『通常の1.5倍ほどの税金の搾取』。」 「そ、そんなことやっていない!!でたらめだ!!」 「やってたから書いてあるんだよ。それに多分死神さんも証人だぜ?」 「………たしかにやっていたな。」  しょうもない嘘をつくなよな。 「あとは『軍人の悪行の放置』に、『犯罪者をとりしまらない』。挙句の果てには『殺人未遂』か。」  最後のは妹ちゃんのも入ってるな。 「それだけのことをやって生きていられると思うなよクズが。」 「や、やめろ!!助けてくれ!!」 「嫌だね。死ぬがよい。」  クズにはクズの死に方ってもんがあるんだよ。 「最期に教えておいてやる。この魔術で消すのはお前の『肉体』だけじゃない。」 「………どういう意味だ……?」 「お前の『魂』をも消す。お前はもうこの世の輪廻には還ってこれないということだ。」  魂という物は、循環するものだ。  肉体が死に、入れ物を失った魂は、一度冥界に送られ、浄化されてからまた生を受ける。ちなみに浄化は冥界に住む神の仕事だ。  しかし、浄化という物は完璧ではなく、少し汚れが残ってしまうらしいのだ。  だから、この世に『悪人』という物が生まれる。  汚れた魂が入った肉体は、汚れた性格になる。汚れた魂が入った肉体は、汚れた人間になるのだ。
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