一章

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「飲んでるか二人とも?」 「いや、俺たちまだ顔隠してるし。」 「ハハハ。それもそうだな。」  俺たちの組織の最後の一人。名前を『セラフィム』。  しかし、本名は…… 「死神さんも、俺の国の者が失礼した。本当に申し訳ない。」 「まさか帝王までいるとはな。心底驚きだ。 結果として無事だったんだ。かまわないさ。」  アルベルト帝国、帝王『ユーリ=ルキ=アルベルト』。  正真正銘の帝王だ。 「ずいぶんあっさり許すんだな。」 「いや、帝王から直接謝罪があるとは思えなかったからな。」 「そうか。それはありがたい。」  この野郎は、どうやらこの世界の国々を潰したいらしく、自分の国も例外ではないらしい。  なんでかは知らないが。 「しかしベルや。この子の顔はかわいいのか?」 「しらねぇよ。帝王がこんな俗物でいいのかよ。」 「こまけぇことはいいんだよ。」 「これは国の将来が心配だ。」  それに顔なんて見てねぇよ。アスラがまだ隠してろって言ったんでね。 「はいはーい!!聞いて聞いて!!これから死神さんの名前の発表と素顔のお披露目会をしまーす!!」 「「「イエーーーーー!!」」」 「うるさいな。」 「多分うちのリーダーと帝王が一番うるさい。」  本当に一番まともであるはずの二人が一番うるさい。
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