一章

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「それじゃ名前からねー。」 「名前とはなんだ?」 「外で名乗るコードネームだと思ってくれればいい。」 「なるほど。」  あれだよ。外で本名や素性がばれないようにするための名前だ。 「今日から『死神』の名前は捨てて、君は『タナトス』だ。」 「『タナトス』?初めて聞く名だ。」 「遠く離れた国の神様だよ。みんな知らないような国のね。」  また俺たちと同じパターンか。俺たちもみんな知らない名前だったしな。 「それじゃあ次は顔と本名といこうか。」 「話していいのか?本名。」 「オフの日は組織以外では本名の方がいいからね。」  基本的に一般人は逃がしている俺たちは、組織外では本名で呼んでいる。  もし通行人がその時の一般人だったら、素顔で歩いていると俺たちの顔が割れてしまうからだ。 「それじゃまずは妹ちゃんからね。」 「は、はい。」  とても緊張しているようだ。  まぁこれだけいい大人がいればそうなるか。 「わ、私は『リシル=アブルック』と言います。16歳です。」 「ん?俺たちとあんまかわらんな。ならしにが……タナトスは俺と同い年ぐらいか?」 「私か?今年で20になるな。」 「もろ同い年か。……20で汚れ仕事とは、お互い大変だったな。」 「全くだ……。」  しかし同い年か。  久しく会ってなかったからな、同級生には。みんな殺されたからな。 「んじゃつぎはタナトスねー。その前にベルは仮面をとってね。」 「はいはい。」  基本的に仮面は魔力でつけているから、魔力供給を止めればとれたりする。 「……お前意外とイケメンだな。」 「ありがとな。」  やったね。イケメン認定を受けたよ。
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