第1章 桜の木の下

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「この道めっちゃ懐かしい。」 自分の記憶を探りながら懐かしい道を 歩む俺、この道を歩くのも実にこ10年の月日が流れていた。 この町に住んでいたのは俺が幼い頃 この道をよく両親と通っていた。 10年前俺は両親の仕事の関係でこの町を離れ 転勤先の福島に引っ越してしまったのだ。 当時はこの町を離れるのが嫌でずっと泣いていた あの時はなぜあんなに嫌がって泣いて いたのかは今となっては思い出せない。 そして何で今になってこの町に戻ってきたのかというと、そう両親の仕事によるものだ。福島から離れるのも嫌だったが仕事なのだから仕方ないとこの町、神奈川にかえってきたのだ。 俺も今日から高校生、俺は家の近くにあった公立高校の江東北高校、通称北高に進学することにした。まぁ家からも近いし何より俺は昔から勉強は苦手だったため、この北高くらいしか入学できる所がなかったからだ。 高校への道を歩いているとひとつの小さな公園を目にした。 とても懐かしい記憶が廻るそう俺が幼いときの記憶だった。 俺が幼いときよくこの公園でひとりの女の子とよく遊んでいたのだ名前は覚えていないが彼女とは毎日のように一緒にいた。 そんなことを思い出しながら公園に目を向けるとひとりの少女が公園にある桜の木の下にあるベンチに腰をかけていた。 その少女はとてもキレイな黒い髪でとても大きな目をしている美少女だった 彼女に目をやっていると生暖かい風が吹く 彼女の髪は風にゆられ、彼女はその大きな瞳で綺麗な青空を見上げていた。 そんな彼女にもう一度目を向けると彼女は俺と同じ色の制服を着ていた おろらく彼女は同じ学校なのだろう。 俺は彼女に声をかけるため桜の木の下にあるベンチに近寄ってみた 彼女はこちらに来るのがわかったのか俺に視線をむけてきた、彼女は俺を見て驚いた表情がうかんでいた。 「あの、すみません、、、」 俺が声をかけた瞬間彼女は立ち上がりこの場を俺に背を向けさっていってしまった。 「待って!」 さっていく彼女を止めようとしたが彼女はそのままどこかへ走っていってしまった。 とても不思議な子だ、なぜ声をかけただけであんな表情をしたのか、なぜ逃げてしまったのかと俺は少し考えていた。 考えてもわかるはずもなく俺は学校への道をまた進む。
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