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小学生の頃。
野良猫が家に懐き、家の近くで赤ちゃんを産んだ。
その赤ちゃんも家に懐き、可愛い子猫が家の周りをいつもうろちょろしていた。
ところがある日。
その内の一匹が、家で飼っていたシベリアンハスキーの元へ近付いてしまい、戯れたハスキーが子猫に噛み付いてしまったのだ。
大人しい犬だったので、噛み付いたと言っても甘噛みで子猫は無傷だったのだが、まだ産まれて間もない子猫の心臓はとても小さく、その衝撃にショックで亡くなってしまった。
私は冷たくなってしまった子猫を泣きながら家の裏庭に埋めた。
そして、子猫と同じ程の大きさの石に子猫に付けていた名前を書いて、埋めたその上に置きお墓を作った。
その日は沈んだ気持ちで一日を過ごしたが、所詮はよその猫。
薄情だが、夜布団に入る頃にはその事は頭からすっかり抜けていた。
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