Ⅲ.rebellion《叛逆》

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新大統領が就任し、UNAMSILが間も無く完全撤退となる事もあり。 政府軍がUNAMSILが行っていた治安維持に当たる事になるのだが、政府軍だけでは完全にカバーする事は出来ず、麻理亜達の様な民間の軍事会社を雇い、不足分の穴をカバーするという事になっていた。 麻理亜達が受けた依頼は、新たに再建が始まる学校周辺の警備という一見簡単に思える物だったが。 周辺に武装勢力の残党の拠点があるという事で、武装勢力の残党の壊滅も含まれていた。 「リチャード・・・ありがとう」 まだ16歳という年齢で、色々と解らない事も沢山あるが。 少なくとも与えられた任務を遂行する事で、目の前に見える子供達を守る事に繋がると麻理亜は気持ちを切り替えた。 「気にすんな。 さぁ指揮所に行くぞ」 ぐずぐずに壊れた、学校横に設営されたバラックが仮の指揮所となっており、二人はそこへと歩みを進めた。 「こんにちはー」 指揮所へ向かう二人へ、学校跡地で遊んでいる子供達が声を掛けた。 痩せ衰えてはいるが目には光があり、劣悪な環境下にあるとは言え、無邪気な子供達の姿は、一筋の希望の種の様に麻理亜には思える。 「こんにちは」 子供達へ笑顔で手を振る麻理亜の姿を見たリチャードが、ふっと笑みを浮かべた。 「マリア。 ちょっとの間なら子供達と遊んで来てもいいぞ?」 「いつまでも子供扱いしないで。 作戦の打ち合わせが終わって、時間が空くなら考えるかも知れないけど」 麻理亜は苦笑を浮かべつつリチャードへ答えると、小走りで指揮所へと向かって行った。 「キリング・エンジェルと異名が付いても、お前の本質は優しい女の子のまんまだ」 走り去る麻理亜の背中を、リチャードは優しい眼差しで見つめていた。
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