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《何故ここに東洋人が?
もしかして私と同じ傭兵?》
微かに胸に疑問を抱きつつも、麻里亜はMP5の銃口を東洋人へと向ける。
それでも、酩酊中のアフリカ人達はさして気にした様子も無く、虚ろな表情で酩酊を続けている。
「2秒やるわ。
武器を捨てて投降しなさい」
麻里亜は東洋人へ冷たく宣告するが。
「馬鹿かテメェは?」
と東洋人は吐き捨てると同時に、手にしたマチェットを麻里亜へ投げ付けた。
「それが答えと言うのなら・・・
あなたを殺す」
投げ付けられたマチェットを易々と避けつつ、麻里亜はMP5の引き金を引く。
《タタタタタタッ・・・》
断続的な炸裂音を響かせ、銃口からフルオートで弾丸が吐き出される。
だが。
東洋人は、人間業とは思えぬ程の跳躍で打ち寄せる火線を避けた。
「ちッ・・・」
麻里亜は弾を打ち尽くしたMP5を放り捨て、両腰のホルスター内のハンドガン・エンジェルウィスパーを抜き、空中を降下する東洋人へ引き金を引いた。
その一連の動作は0・75秒という驚異的な速さであったが、降下中の東洋人も同じく銃を抜き引き金を引いていた。
「!?」
「クソウゼェ」
両者共に吐き出した弾丸を、両者はギリギリで回避したものの。
本来は致命傷でもおかしく無い精度のヘッドショット(頭部射撃)であった為、全てを避ける事は出来ず。
麻里亜は左頬に軽い裂傷を負い、東洋人は右耳が千切り飛ばされていた。
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