Ⅲ.rebellion《叛逆》

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《何故ここに東洋人が? もしかして私と同じ傭兵?》 微かに胸に疑問を抱きつつも、麻里亜はMP5の銃口を東洋人へと向ける。 それでも、酩酊中のアフリカ人達はさして気にした様子も無く、虚ろな表情で酩酊を続けている。 「2秒やるわ。 武器を捨てて投降しなさい」 麻里亜は東洋人へ冷たく宣告するが。 「馬鹿かテメェは?」 と東洋人は吐き捨てると同時に、手にしたマチェットを麻里亜へ投げ付けた。 「それが答えと言うのなら・・・ あなたを殺す」 投げ付けられたマチェットを易々と避けつつ、麻里亜はMP5の引き金を引く。 《タタタタタタッ・・・》 断続的な炸裂音を響かせ、銃口からフルオートで弾丸が吐き出される。 だが。 東洋人は、人間業とは思えぬ程の跳躍で打ち寄せる火線を避けた。 「ちッ・・・」 麻里亜は弾を打ち尽くしたMP5を放り捨て、両腰のホルスター内のハンドガン・エンジェルウィスパーを抜き、空中を降下する東洋人へ引き金を引いた。 その一連の動作は0・75秒という驚異的な速さであったが、降下中の東洋人も同じく銃を抜き引き金を引いていた。 「!?」 「クソウゼェ」 両者共に吐き出した弾丸を、両者はギリギリで回避したものの。 本来は致命傷でもおかしく無い精度のヘッドショット(頭部射撃)であった為、全てを避ける事は出来ず。 麻里亜は左頬に軽い裂傷を負い、東洋人は右耳が千切り飛ばされていた。
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