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射撃音が飛び交った事で、ようやく我に返ったアフリカ人達が、ライフルを手に取りゆっくりと立ち上がり始める。
「マリアッ!」
遅れて建物内へと入り込んだリチャードが、一瞬で状況を把握し、アフリカ人達へMP5の引き金を引いた。
「がぁッ!」
「ぎぃんッ!」
「ぐッ!」
「げぇッ!」
「ごぉぉッ!」
リチャードの射撃はアフリカ人達を的確に撃ち抜き、その抵抗を阻止したが・・・
「仲間?
テメェもウゼェんだよッ!」
耳を千切り飛ばされた痛みも見せず、一瞬で麻里亜からリチャードへと意識を移した東洋人は、銃口をリチャードへ向け引き金を引いた。
「リチャードッ!」
「!?」
麻里亜の怒声に促されたリチャードは、すんでの所で即死を免れたものの右肩を撃ち抜かれ、手にしていたMP5はその手から離れ床へと落ちて行った。
「ぐッ・・・」
リチャードが即死しなかったのは不幸中の幸いだが、苦痛を噛み殺しながら床に踞(うずくま)るリチャードは、自分と同等以上の反射神経を持つ東洋人の男にしたら格好の的になる。
「リチャードは殺らせないッ」
麻里亜は、リチャードを東洋人の火線上から外すべく二挺のエンジェルウィスパーを速射する。
《パパパパパッ・・・》
銃声が建物内へ途切れる事なく響き渡り、麻里亜も東洋人も弾切れとなっていた。
「クソがッ!」
東洋人の男は、麻里亜の精密速射により更に脇腹を撃ち抜かれていたが、全身を血で染めながらも相変わらず痛みを覚えた様子も無く、銃を投げ捨てるとナイフを逆手に麻里亜へ飛び掛かった。
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