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麻里亜も弾切れとなったエンジェルウィスパーを放り投げ、東洋人に呼応する様に腰からナイフを引き抜く。
「死ねッ!」
東洋人の逆手に構えたナイフが、憎悪と殺意を切っ先へと集約させ、凶暴な鈍い光を放ちながら麻里亜の顔面へと迫る。
だが・・・
麻里亜は冷静に、自分を確実に殺すであろうナイフの軌道を冷然と凝視している。
ナイフの切っ先が後15センチの距離まで迫った時。
「はあッ!」
と短い雄叫びと共に、冷静に研ぎ澄ましていた殺気を爆発させた。
爆発させた殺気の勢いを加味した麻里亜のナイフが、超高速の斬撃の軌道を描くと共に、東洋人のナイフを握る手首を切り飛ばしていた。
切り飛ばされた手首からは赤黒い血が滝の様に吹き出し、麻里亜の身体もその血で赤く染まる。
「なッ?」
必中を信じて疑わなかった東洋人の顔に動揺が走るが、相変わらず痛みを覚えた様子は無い。
しかし、手首を切り飛ばされた事で東洋人には一瞬の隙が生まれていた。
「・・・・・・」
麻里亜はその隙を見過ごす事無く、振り抜いたナイフの切っ先をそのまま東洋人の咽頭部へと突き立てる。
「ごはぁッ!」
短い苦痛の叫びと共に、東洋人は口から夥しい血を吐き出した。
「・・・・・・」
麻里亜は冷酷に底光りする瞳で、咽頭部へ突き刺したナイフを捻った。
東洋人は身体をぴくっと揺らした後、目を剥いたまま事切れた。
「子供達を殺した報いよ」
麻里亜は冷たく吐き捨て、ナイフを東洋人の咽頭部から引き抜くと、糸の切れたマリオットの様に東洋人は床へと倒れ臥した。
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