Ⅳ.damnation game《滅戯》

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【一時間後 某造成地】 造成途中で放りっ放しのこの場所は、建設作業員や重機の姿も見当たらず閑散としており、うっすらと積もり始めた雪により、更に寂寥感が増している様に思える。 「こんな陰気な場所を指定してくるなんて。 本当、アイツはセンス無いわね」 カゲトが運転する車の助手席で、窓の外を眺めるナナが悪態を吐いた。 「まぁ、センス云々は別としても。 ここだと取り引きを行うには最適だな」 相変わらずなナナの毒舌に、カゲトは笑みを浮かべる。 「アイツのセンスの無さが、予想通りの取り引き結果になりそうなんだけどね」 ナナが言うアイツとは雇い主の事であり、小森清治と言う名前である。 「お前の予想通りの結果だとしても。 それに対する準備は万端なんだろ?」 ナナが言う《取り引き結果》の意味を理解しているカゲトは事も無げに答えた。 「まぁね。 念の為ににBVSも持って来てるし。 白の大地を真っ赤に染めるかどうかは、アイツ次第って事ね」 冷笑を浮かべ告げるナナであるが、周囲をくまなく見渡し状況確認はしっかりと行っている。 「お前の予想が当たるかどうかはもうすぐ解るさ。 奴の車が見えて来たしな」 カゲトの声に促され、ナナは正面へ視線を移した。 するとそこには、一台の黒のベンツが停まっており、そのベンツの側には、小森のボディーガードであろう屈強な身体付きの二人の男の姿があった。 「ボディーガードは当然居ると思ってたけど。 この寒い中に、部下を車外へ出しているとは予想して無かったわ。 アタシの予想が一つ外れたって感じかしら?」 とカゲトへ答えるナナの顔は、冷笑から苦笑へと変わっていた。
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