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「久し振りー!」
連れてこられたのは、雑誌でよくみかける有名な美容室。
先に店内に入った部長に、店員らしき女の人が近づいた。
「うわあ…」
あたしが普段通い慣れた美容室より格段に広くて、明るくて、雰囲気だけで高級感が漂っている。
確か予約が全然とれないって紗希が怒ってたの、ここだよなぁ…。
うん、ここもあたしには縁がなさそうだ。
「渡辺?」
前にいた部長が振り返り名前を呼ぶ。
キョロキョロと店内を眺めていたあたしは、慌てて部長に駆け寄った。
「…かわいい」
ミルクティー色のふわふわパーマに、ピンク色のニットのワンピース、モコモコのブーツを履いていても、あたしより小さいとわかる身長が、可愛さを助長させる。
「嬉しい~!いい子ねー!」
無意識にこぼれた言葉に、満面の笑顔をあたしに見せてくれる。
…童顔、なのかな?
ちょっと年齢不詳だけど、あたしと同じくらいかな。
「この人、こう見えて33だから」
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