23人が本棚に入れています
本棚に追加
──なんだろう。
ふわふわとした感覚なか、不安定なのに、なぜか安心感。
何かあたたかいものに包まれているような感覚。
あー、落ち着く…。
「…ん…」
あれ、あたし、目覚ましかけなかったっけ?
なぜか気だるい身体と重たい頭のせいで、あたしは目を閉じたまま枕元をごそごそと探る。
昨日の記憶がぼんやりとしてるけど、ちゃんとベッドまで行ったんだな。
…なんだか、久し振りによく寝たような気がする。
この気だるさは、寝過ぎのせい?
時間が知りたくてスマホを探したんだけど、枕の下にもどこにもなくて、あたしはようやく身体を起こした。
「──どこ。…えっ!?ここどこ!」
え、え、なんで!?
見慣れない部屋、見慣れないベッド。
そして、見たことないバスローブを纏ったあたし。
ブラジャーつけてないし!なんで!!
やだ、嘘でしょー!?
…あ、下は履いてる。
昨日のことを思い出したいのに、焦る気持ちが邪魔をして、少しも思い出せない。
あたしは恥ずかしさからシーツを被って丸くなっていた。
「やっと起きたか?」
ガバッとシーツから飛び出すと、部屋の入り口に坂崎部長の姿。
「もう10時半だ」
何故!?
最初のコメントを投稿しよう!