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「セクハラです!」
「あ゛? 言っとくけど、あんたが勝手に取ったんだからな」
…あ、確かに。あたしは何も着けないで寝る派だった。
「じゃあ、着替えも自分で…」
「それは俺がした」
「ええっ」
「あんた、ドレスのまま寝るから、皺になると思って」
「セクハラです~!」
嘘でしょ、見られた!見られたんだ~!
真っ赤になった顔を隠すように、あたしは枕を自分の顔に押し当てた。
「酔った優花、かわいいけどな」
ひぃぃ──っ。
「またあとで、連絡するから。いい子にしてろよ」
そんな言葉と共に、こめかみあたりに柔らかな感触。
ちゅっ、なんて音、聞こえない聞こえない!
結局、パタンとドアが閉まって、部長の気配がなくなるまで。
あたしは枕を離すことができなかった。
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