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「マジで?どんな人?」
俺は嬉しくて嬉しくて、顔が自然と緩んだ。
男手ひとつで俺をここまで育て、大学にも行かせてくれている。
父も幸せになる番だ。
「恵美さんって言ってね、すごく綺麗な人なんだ」
「父さん、顔がにやけすぎ」
ああ、父さん。
幸せなんだな。
「早く俺にも紹介してよ」
父がどんな人を好きになったのか。
恵美さんに会ってみたい。
父が再婚したら恵美さんは家族になるわけだし。
「ああ。なるべく早く紹介したいんだけど、恵美さんの娘さんがちょっとな……」
「娘?いくつ?」
「中学2年生らしい」
おいおい。
一番難しい年頃だな。
「恵美さんは何とかするって言ってたけど、あまり無理やりなことはしたくないし……」
父はぶつくさ独り言をつぶやきながら、畳にあぐらをかいた。
中2か。
難しいかもな。
この結婚は前途多難のようだ。
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