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ついにその日が訪れた。
俺は今日、恵美さんとその娘に会う。
父はそわそわと落ち着きなく時計ばかり気にしている。
こんなんで大丈夫か?
先に到着した俺たちは、ロビーのソファーでくつろいでいた。
「俺そのへん見てくるよ」
父は立ち上がると入り口付近に向かった。
待ち合わせ時間まであと15分もあるのに。
まあ、そんなところが可愛いのかもしれないけれど。
5分経過したけど、父は戻ってこない。
どこまで行ったんだ。
何となく入り口に目を向けると、ペコペコ頭を下げる父が目に入った。
向かいには……。
遠目からでも綺麗な女の人と、若い女の子。
恵美さんが想像以上に綺麗な人で、俺は正直面をくらった。
父さんなかなかやるな。
隣に立つ女の子の顔は長い髪のせいでまったく見えなかった。
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