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ヒューン―
ドカアァーン!!!!
あちこちで鳴り響く爆発音。
地響きと共に、大きく塵が舞い上がっては落ちてくる。
ごうごうと燃え盛る炎と空に上る黒煙が、今にも一つの町を飲み込もうとしていた。
ここは戦場だ。
「…たった今からな」
そう言いながら笑みを浮かべるこの男は、狩人の最高司令官、ザラ・ローダンである。
ザラの指揮下では、生半可な攻撃は許されない。
敵と見なせば全力で攻撃し潰しにかかる。
過去にこの攻撃から免れることができた例はないのだ。
そんな訳で、またもや町がひとつ失くなろうとしていた。
襲撃の様子を感情の無い目で、ザラはじっと見ている。
ひじ掛け付きの豪勢な椅子に座り、町全体が見渡せる丘にいるのだ。
高見の見物と言ったところか。
ひゅう、と生ぬるい風が吹いた。
ザラの黒い髪を揺らす。
「火薬や焦げ臭い匂い。これでこそ、だな。」
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