13、死を求める

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「氷帝様、貴方は邪魔しないでください。私は風帝様を殺さないといけないのです」 「おいおい、お前の相手は儂じゃ。動くなよ」 まだ、ナミルへの攻撃を諦めていない雛罌粟だが、イリスが立ちはだかる。雛罌粟の言動は明らかにおかしいが、纓二にそんなことを気にする余裕はない。 「ああ、何時間もお説教してやる。でも、まずは傷を治さないとな。治療を始めてる。直ぐに治るから」 纓二は既に持てる全ての力を持ってナミルの治療を行っていた。 流血刀の傷は既に塞がり、火傷も治りつつある。 しかし、、、、 「纓二、さん、、、、、、、、お願い、聞いて、くれま、せんか? 」 「お願い? 」 ナミルは目に一杯の涙を溜めている。堪えないといけないとわかっていても体がいうことをきかないのだ。 「この前、ローマの、、時に、、、、なんでもお願い、きいてくれるって、、言いました、、、、、よね?」 「ああ、いった。そういえばまだ聞いてなかったな。なんでも言ってくれ」 「もう少し、、顔を近づけて、ください」 もう、声をだすことも難しい。でも、彼女は諦めなかった。 体の力が抜けていくのを実感し、見えていた半分の視界が黒くなっていっても、諦めなかった。 ナミルは持てる力を出して、纓二に顔を寄せた。 持てる最期の力を使って。 治療魔法に集中力の殆どを使っていた、この時纓二はナミルが顔を寄せた事に驚いた。 ・・・・・・そして、ナミルは纓二と唇を合わせた。 彼女の目から、大粒の涙がこぼれ落ちた。 「大好きでしたよ、纓二、、さん。、、、、、、シャルロットさん、、に謝って、、、おいて、、、くだ、、さい、、、、、、、」 最期、ナミルは、笑顔を作った。いつも通りの満面の笑顔を作った。 言いたかった言葉。伝えたかった想い。 朱雀が言った「未練を残すな」という言葉。だから、彼女はこの場を幸運と思ったはずだ。 自分が大好きな人物の腕の中にいる。最期に一番好きな温かい感覚に包まれながら、、、、。
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