5、過去編

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魔法陰暦832年8月 僕が飛詠に拾われて2年が経過していた 僕は森の中で、、格闘していた。 もちろん戦闘ではなく、訓練としての格闘である 相手はメルさん 飛詠の弟子であるメルさんは僕のお姉さん的な存在である 格闘術、魔法に長けていて、双位としての役職につき、、飛詠(氷帝)の直轄護衛である。 「纓二ー、もっと視野を広く。相手は一人とは限らないんだから一つの対象にとられ過ぎちゃダメ」 「、はい!」 メルさんの容赦ない、半端ない動きから繰り出される攻撃をギリギリのところで避ける 魔法が使えない僕に求められたのは、相手が魔法を使っていたとしても勝てる戦術 格闘術を主に用いて戦う。 攻撃は魔法石から作られた武器、、魔法石武器 「“炎よ弾丸の如く舞え『フレイムアーデ』”!」 メルさんが放つは炎属性の中遠距離攻撃魔法 握り拳ほどの炎の塊を複数標的に打ち出す 「全部よけられる?」 鬼畜だ、Sだ! 僕は四方八方から接近する弾丸のような炎を視界にとらえ、ギリギリで避ける タイミング良く魔法石武器によって打ち消す 「おー、やるじゃん、でも」 「え?、、、、あっ、あっつーーー!」 魔法石武器で弾いた炎の一つが背後から接近していた別の炎にあたり、軌道を変えて、背中に直撃していた 「あそこまで避けられるとは思わなかったよ。惜しかったねー、、、“水よ癒せ『アクアリーフ』”」 服をじわじわと焼く炎が水の魔法により消える 「今日はこれくらいにしようか。お腹空いたし」 「あ、、、、はい」 平然とするメルさんであるが 僕の全身は傷だらけである 火傷がヒリヒリする この日の訓練は終わった この日の、スパルタ訓練は終わった
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