5、過去編

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ブレーカーにはよくあることだ しかし、それには、力を持つものも死なないという大前提がつく 今の、この状況で、その前提が成り立つとも思えない 「お願い、纓二。君は生き延びるの」 メルさんは僕の額に唇を当てた それで、全てを悟った 思いたくない事を、悟った 悟ってしまった 「“来たれ 敵を打ち砕く者 強敵を拘束する宝具 その力を持って我が願い 我が愛する者を守る力を与えたまえ『レイフグレイプニル』”!」 メルさんは唱える それは、魔法具の召喚呪文 メルさんの周りに集まったのは、幾つもの青い光 そして、緑の光 青と緑がそれぞれに集まり 一つの形を形成する それは、如何なるものであれ拘束する 鎖 幾つもの茨の棘がついた鎖である 「“風よ来たる時に至るまで守護したまえ『ガフナレイトール』”」 続けて唱える これは僕に対しての守護魔法だ 風の結界を体の輪郭に合わせて形成される 「纓二、行きなさい」 それらが全て完了すると メルさんは耳元でそう囁いた 僕は、、、全力で駆け出した 後ろを振り返る事なく ーーーーーーーーーーーー
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