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「ナザーフォース3109よりナザーフォース3003へ…」
「緊急事態だ…まどろっこしいコールは省略して良い。モニタリングした状況だけを正確に報告しろ!」
「………それでは、口頭で報告するよりは…映像と各種環境負荷をデータ化した圧縮情報を直接、ストレージへアップしておきますよ。勝手にみて下さい」
「な…貴様、て、手抜きをするんじゃない!」
「緊急事態なんでしょ?…こっちも決して安全な場所にいるワケじゃないんで…おっと…アチチチチちっ…あぁ、この場所にも火の手が回ってきた。このままだと、このエリアの環境負荷が規定の上限レベルを超えますので…こっそり火消しして回りますよ…いいですね…あ、マズイ…あっちに燃え移ったら厄介だ…」
「おい。まて、指示があるまで直接的な干渉行為は厳に慎めと…あぁ…おい」
儂(わし)の言葉を最後まで聴かずに、ナザーフォース3109は回線を強制的に閉じてしまった。
どうも、この本部に残った一部の部下たち以外は儂のことを軽んじる傾向が強いように感じる。非常に不愉快だが…委員会内部の勢力バランスを考えると仕方がないのかもしれない。儂は深呼吸して平常心を保つように精神を安定させる。
そして「処罰の対象とするべきか?」…と目で問いかけてくる部下に向かって告げる。
「まぁ良い。確かに基盤世界の各種環境ステータスを正常に保つのが我々委員会の役目の一つであることは間違いない…いずれにせよ何らかの対応はせざるを得ないのだから…3109の行為は…承認してもよかろう」
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