第1章 混迷の基盤世界

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 「た…大変ですぅ~………けど…ここは?…何処?」  事前に予想したとおり、おそらく氷原国だとは思うのです。けれど、氷原国は私たちの世界でも2番目に大きな広い国土を持っているので…その何処なのかが…分からない。  それを知る一番の手がかりになりそうな村が、どうしたことか大火事に!?  私の水の技があれば、あっと言う間に火事を消し止めて、村人たちの信頼を勝ち取ること間違いなし!…と、丘から降りようと駆けだした途端に…  「あやぁ!?…あぁぁ………ああ~~~~~」  こ、氷の丘って…つ、つるつるで…つるつるつるつる…す、滑るのです………  尻餅をつく寸前で、急いで体の回りに薄い水の膜を張って体を打つのを防ぐ。ついでに、さっきちょっぴり汚れちゃった下着も…キレイキレイしておきましょ…っと。  …って、崖!?…何で崖?…よりによって…あうあう…と、止まらないぃい!!!  氷の上に水の膜。これほど滑りやすい状態は…そりゃあ無いわよね。  って、冷静に崖から落ちる自分の状況を分析する私…って馬鹿ぁ?  「ひゃう!?」  落下感を覚悟していた私の体は、奇跡的に崖の直前で急停止した。  う、嬉しいけど…く、苦しい…。何?…く、首がし、締まる。  私の体は、崖から離れて角度の緩くなっている方へと引きずられていく。  何とか崖に落ちる危険の無い場所まで運ばれて、私はやっと自由になった。 ・・・
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