第1章 混迷の基盤世界

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 『がうっ!』  私の襟首を掴んでいたのは…手ではなく…牙だったのね…。  っていうか…何?…この子ぉ~…か、か、可愛いぃぃいいいいい!!!  一瞬…あの凶悪な伝説の「狼」のように見えて心臓が止まりそうになったけど、よく見ると可愛らしい小さなワンコちゃん。  「あ…アナタが…私を助けてくれたの?」  『がふっ!』  「あ、ありがとね。…って、何だろう?…初めて会った気がしないわん?」  『がふっ!ぎゃふっ!』  この子の言っていることは分からないけれど、少なくとも私に懐いていることだけは間違いない。  「よし。とにかく、ここが何処か…あの村までいって確認しよう!」  私は、今、相棒になったばかりのワンコを連れて、燃え上がる村まで駆けていった。 ・・・
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