プロローグ

1/22
28人が本棚に入れています
本棚に追加
/523ページ

プロローグ

(0) 基盤世界へ… ・・・  目を閉じていたのは、眠っていたからではない。  赤い…光。いや。これは彼の光。だから…色の名は「緋色」。  同じ緋色の夕闇の中。彼とは…もう…別れを済ませてある。  言葉を交わしたりはしなかった。  私が彼の目を見つめ。彼はその私の目を見つめ返してくれた。  目と目で会話ができる…などとは言わない。  でも、彼の…マモル殿の気持ちは…私の心にちゃんと伝わり…  そして、私の心も…マモル殿に伝わったはずだ。  この気持ちが恋と呼ぶべきものか、愛と名の付くものか…それとも全く別のそれらを超越した名も無き想いなのか…それは…私にはわからない。  でも確かに…二人は繋がっていた。それが、詠唱者(シャンティル)守護者(ガルディオン)の絆ではなかったとしても。  そう。私だって気づいてはいた。  マモル殿と下腹を通じて要素(ルリミナル)の循環する感覚…その詠唱者と守護者とを結びつける力の輪が…あの隠れ家としていた倉庫への襲撃を凌いだ以後…消えてしまっていたことを。 ・・・
/523ページ

最初のコメントを投稿しよう!