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明かりは、先頭を行く友人Aの持つ懐中電灯の頼りない光のみ。
友人Aの気の済むまでは帰れないであろうこの真夜中の探索を、この時の大倉はサッサと終わらせることしか考えていなかったという。
階段は狭いので、どうしても一列縦隊にならざるを得ない。
先頭を友人A、その間に二人の友人たちを挟み、大倉は列の最後尾について階段を上り始めた。
その階段を中ほどまで上った時であろうか、突然、友人Aの足が止まった。
もちろん、Aが足を止めればそれに続く三人も足を止めざるを得ない。
「おい、何やってんだよ。早く上れよ」
暗闇の中、大倉は最後尾から友人Aに声をかけた。
そして一拍ほど間を置いて、友人Aから意外な答えが返ってきた。
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