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「精神病ってのは、隣の奥さんのお母さんの世代の話なんだって。ひどかったらしいわよー。糞尿たれながしで、四六時中うなってるから耳に残るんだってー」
「ふーん、それにしても、よくこんな家に来ようと思ったわね~、私だったら絶対にやめるわ」
「でも、今回の家族はどうなのよ。何かおかしいところある?」
「あるわよー! 旦那はろくに帰ってこないし、奥さんは金遣い荒いし……。一人息子だって暗くて無口で何考えてんのかわかんない……目つきだってあんなに悪いしさー、怖い怖い」
「……ねえねえ、あの子、帝応高校行ってるんでしょ? 本当にそんなに賢いの?」
「え? 帝応って皇族とかがよく行くとこじゃん。あそこ行ってんの?」
「そうそう。でも、この家すごいお金持ちでしょ? もしかしてさ……」
室内からの言葉が途切れると、クスクスと小さな笑い声が聞こえてきた。
周平は気づくと眉間しわを寄せていた。
頭はフラフラで寒気もしたが、薬ももらわずその場から立ち去った。
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