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長いドライブが終わり、黒塗りの高級車は山奥の一軒家へ入っていった。
それは一軒家というよりはむしろお屋敷と言った方が正しかった。
玄関を挟んで左右対称の、二階建て赤レンガ造りの屋敷。
大きく立派な柱が何本も立てられ、その間を埋めるように、立派な飾り窓が何個も埋め込まれている。
正面玄関前のロータリーの中には、青々とした見事な植木が寄せ植えされ、そのひとつひとつが美しく刈り込まれている。
ここが現代の日本だということを忘れるくらい、細部まで作りこまれた豪邸。
車が玄関の前に止まる。
周平は車から降り、4、5段の階段を上った先にある大きな玄関の扉を開けた。
玄関の中は広いホールになっていた。
その一面に赤いじゅうたんがひかれている。
真向いには二階へ上るための立派な階段がある。
その階段も途中で左右に分かれており、分岐した手すりには目を見張るような彫刻がきざまれている。
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