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わたしと、猫のリンナの出会いは、都内のペットショップだった。
当時、フリフリでラブリー、気合いが入っていないと着こなせないロリータファッションを貫いていたわたしは、とあるビルでお買い物を楽しんでいた。
本屋さんを見ていると、女の子たちの
「かわいい~!」
という声が聞こえたので、さも当然かのように
『わたしの事』
だと思い、振り返ると…。
あれ?女の子たちは、わたしを見ていない…。
彼女らの視線は、本屋さんの反対側にあるペットショップのガラスケースに居る、子猫ちゃんだったのだ。
なぁんだ、猫かぁ。と、思いつつ、彼女たちが去って行った後、子猫ちゃんを見てみた。
ふわふわとした、柔らかそうな少し長めの毛。シルバーとホワイトのしましま模様。
でも、その子猫ちゃんは、ショーケースの中に居る事は居るんだけれど、お尻を向けていて顔が見えないし、愛想もあまりよくないように思えた。
ふーん…。と思いながら、にゃんこプロフィールを見てみた。
…!!わたしの中に、衝撃が走った。
なんと、子猫ちゃんのお誕生日が、わたしの好きなアーティストと同じ誕生日だったのだ!
毎回ライブへ行く度、ファンレターを書いていたあの人と。
運命だ!性別を見ると、好きなアーティスト(以下、Oさん)と同じく『♂』。ますます運命を感じるわたし。
もう辛抱たまらん!と思い、店内へ入り、店員さんに、にゃんこの事をたずねてみた。
「ウチはもう、猫を取り扱うのをやめる事にしたんです。あの子は最後の子なんですけど、売れないから社長が昨日から半額にしたんです。」
確かに、子猫の割にはお手頃価格。でも、何故この子猫だけ売れ残ったんだろう?
ショーケースから、店員さんが子猫ちゃんを抱っこをして取り出し、わたしに見せてくれた。
…あれ?あんまり可愛くない。
売れ残った理由は、これかぁ。
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