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「あなたはふざけているのかしら!!?」
激しい罵声よりも心へ響く、凍える真冬を連想させるかのような冷淡な声色。
石造りの壁と20メートルはあろうかという石像にかこまれたこの場所、
リリアルガーデン。
魔力の高い傭兵達が凌ぎを削り合い、
力こそが全てであり、戦闘力が高い者が掟となり、さらに上位に君臨する。
FランクからRSランクまでの格付けをされ、
それぞれの力や働きに応じて住まいや生活を与えられるという…
まさに群雄割拠という言葉を
体現しているかのような場所だ。
「まさか現地に遅れた理由が食事だったなんて…自覚がないにもほどがある!」
言葉は更に寒気を増し、悠久の翼へと注がれている。
「いやほら、食堂のなめらかプリンといやー、予約でしばらく埋まっててなかなか食えないってくらいレアな訳でやっぱ食べたかったし…。あれだよ、わりぃ!悪かっ
たよ!」
そう言い訳をしているこの男、
こいつはリリアルガーデンが誇る精鋭の括りにやっと入り込んだあたり、
と言われている
Aランクの称号を最近手に入れた男。ジェーダ・ストライク。
黒髪に黒の瞳、鎧は身に纏わずに、東洋人が生み出した薄い
ブルーの藍染で黒から紺へとムラのかかった。羽織りを羽織っている。
首元には薄い紫の水晶の入った装飾をあしらい、全身黒尽くめの変人と言っても過言ではないような容姿をしている。
1つだけ違っているとしたら、
腰にぶら下げた優美な曲線を描く蒼天を映したかのように青い柄に、白銀と呼ぶに相応しい白く輝く刀身を濃紺の鞘に包まれた長剣くらいか。
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