むかし1 発見

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むかし1 発見

私は小学校の頃、よく友達と一緒に公園で遊んでいた。 放課後になるといつも外に行き、 室内でまったりと過ごす日はほんのわずか。 その日も公園で、鬼ごっこなどをして、普通に帰るつもりだった。が… 大きな遊具の下に、友達が小さな何かの卵を発見したのだ。 白地に、黒い不規則なぶつぶつ模様を持つ卵は 所々欠けていて、今にも潰れてしまいそうに思えた。 卵はうずらのそれよりも小さく軽い。 友達の奈々と美歌は手の上に卵を乗せて、 「何の卵だろうね」などと言いつつ欠けた部分を覗き、驚いた表情をした。 「こ、これまだ生きてるよ!」「どうしよう」「ちょっとあったかい」 慌てふためき次々と喋っていたので誰が何を言ったかなど忘れてしまったが ただ、私は「怖い」という感想を持った。 生きているとはいうが、もうすぐに死ぬだろう… そう思った私は身震いして、どうしても怖くなったのである。 なので、「放っておこうよ」と声をかけたが 二人は「むいたら生まれるかも……」と言い、慎重に殻をむこうとした。 今なら、そんな事をしたって生きられる訳が無いと思えるのだろうが、 当時の彼女たちは少しの希望を捨てずにはいられなかったのだろう。 私は諦めて二人を見守った。
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