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むかし3 恐怖
そのすぐ後だった。
まだ殻を出てもいない小さな命が消えてしまったのは
美歌と奈々はすぐに気づき、悲しみそして
「「お墓をつくろう」」
と提案した。切り替えも行動も早い彼女たちは、
早速土を掘るために駆け出した。
もう動かない卵を、よりによって一番怖がっていた私に預けて…
卵がもう生きてはいないのか、正直私には
よく分からなかったが、二人を信じることにした。
さっきまで手の上にあった命がもうこの世にない。
その事実が私はとても恐ろしかった。
どんな生き物もいずれは死ぬのだ
そう思っても、悲しさと恐怖と…少しの罪悪感が私の中に満ちた。
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