1人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
むかし4 土葬
数分後、二人に呼ばれ以前は木が生えていた円形の花壇に向かった。
「ここ、鬼ごっこする子たちとか踏んでいっちゃうんじゃない?」
と聞いてみたが
彼女たちいわく掘れる土があるのはここしか無かったらしい。
既にそこそこ深い穴の近くに奈々がしゃがみ、私は卵を渡した。
奈々と美歌がひととおり埋めると、
今度は花を供えようという話になった。
三人で分かれて花を探して、公園内を歩き回る。
が、なかなか見つからない。
もう諦めかけていた時、薄い色をした3センチほどの
朝顔のようなものがたくさん咲いている場所を発見した。
この際花なら何でもいいと思っていた私たちは、
すぐにそれらを摘み先程の墓へ持っていった
むかし5 来世では
その後枝を立て朝顔を供えた小さなお墓の前で
私たちは手を合わせた
次の人生ではもっと幸せに生きてくれますようにと
そういえばあの花は何なのか。
「昼に咲いてるんだから昼顔だよ」
と誰かに言われたがそれでいいんだろうか
それからも、私たちは大抵この公園で遊んだ。
いつの間にか花は消えていたが、
確かもう一度摘んで供える事はしなかったと思う
最初のコメントを投稿しよう!