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ふと視線を武田さんから、その後ろの背景に移す。
学校が見える。そして視力のいい俺には校舎の壁に取り付けられた時計が見えた。それは距離が近いという事もあったからかもしれない。
「うわぁああああ!! 九時半じゃねぇか!」
突然の大声に武田さんは勿論、周りを歩いていて通行人までもが驚き、俺に視線を向けてきた。
だが気にしてはいられない。
既に入学式は始まった。だからといって諦める性格ではない。
「ど、どうしましたか?」
「どうしたもこうしたも、遅刻したんだよ! じゃあ俺学校行くから!」
走り去ろうとしたとき、武田さんが俺の腕を掴んだ。
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