第1話 寝坊しました。

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眼鏡がギャクのようにズレ、鼻からは鼻血。それにも関わらず何事もなかったようなクールな表情。 「…………」 「何も言わないでくれ……」 『ストップ』と書かれた手を再び向けられる。 「はぁ。で、何の用ですか?」 俺は男の後ろ、学校への通学路を苛つきながら見つめた。 そんな事に気付いたかどうかは分からないが、男は懐に手を入れて何かを取り出した。 ま、まさか……、拳銃か! と思ったが、出てきたのは一枚の小さな紙切れ、名刺だった。 それを受け取り、見た瞬間眼を見開く。
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