1ハーレム

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1ハーレム

「だ、大丈夫?優希姉…だよね?」 私は、そう言って手を差しのべる男の子の顔をゆっくりと見上げた。 「陸斗…くん?」 私の頭には古い記憶が断片的によみがえってきた。月島陸斗、確か3人兄弟の長男で… 「よかった、最後に会ったの随分前だし。もう、俺のことなんか忘れちゃってるかと思ってたよ」 彼の手を借りて立ち上がった私は、改めて彼の顔を見つめた。 背格好は記憶の中のそれとだいぶ違う。昔は私と身長が同じくらいだったが、今は私の頭が彼の肩の位置だ。 でも、いつもニコニコしてまわりを明るくしていた笑顔は変わっていなかった。
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