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家事は私がした。 男の身の回りの世話も全てした。 男からは毎月決まった額の生活費のようなものを渡されたが、とても二人が食べていけるような額ではなかったので私も働きに出ることにした。 近所の工場である。 男との関係は概ね良好であった。 彼と「した」時のように気持ち良くはないけれど時々は「した」し、その頃には生活費のほとんどを私が負担していたけれど特に不満はなかった。 相変わらず狭くて汚いアパートでの二人暮らし。 男は時々不満を口にした。 「おまえは若いのだから稼げるうちに風俗にでも勤めてはどうか」というようなことまで口にするようになった。 それでも特に不満に思うことはなかった。 思えばうちはずっと貧乏だったので私は貧しいことに鈍感だったのかもしれない。 世の中はこんなものなんだと思っていた。 そして、きっと母は貧しいことに敏感で、だからあの頃の暮らしに我慢ならなかったのだと思う。
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