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いつの間にか成立していた離婚だったので、母はいつの間にか家からいなくなっていた。 父に尋ねると離婚して母は実家に帰ったと告げられた。 母の実家は鹿児島で、私は少なくとも覚えている限りでは1度しか訪れたことはなく、なのでもう二度と母に会うことはないのだろうなと思った。 特に寂しいとか、悲しいとかそんなことは思わなかったけれど、これも私が馬鹿だからなのだろうか・・・。 私は近所にある、その学区内では一番頭の悪い高校に進学した。 みんな金色か茶色の髪の毛で、男の子はダボダボのズボンをはいて、女の子はゴテゴテのお化粧をしていた。 少しだけど友達ができた。 美穂ちゃんとさやかちゃん。 美穂ちゃんが「頼子、髪の毛染めないの?ダサいよ」 と言ったので駅前のドラッグストアでブリーチ剤を買って、さやかちゃんの家で塗ってもらった。 ブリーチ剤はすごくヒリヒリしたけどかっこ悪い気がして我慢した。 洗い流すと私の髪はまるで白髪のような金色になっていた。 触るととてもギシギシしていた。 その日家に帰ると父は私の顔を見て目を見開き、やっぱり「おまえは馬鹿だ」と言った。
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