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私「しげみちさんは神主としては随分お若いようですが…」
「お父様の跡を継がれたんです。」
代々こちらの神主の家柄のようですね。お父様は病気で亡くなられました。
私「千恵さんからみてしげみちさんはどんな方ですか?」
「穏やかな方です。」
千恵さんはこの神社に住み込んでいます。
私「千恵さんはしげみちさんの奥様ですか?」
「わかりませんが、「恋」という言葉が浮かんできます。」
私「貴女はしげみちさんに恋をされてるんですか?」
「はい。」
私「しげみちさん、年頃の若い男女が一緒に神社に住んでいる。これは普通のことですか?」
「ちょっと特別な事情があってこのような形になっています。」
ただお互いに好きあっていて、いずれ結婚することにはなっているようです。
私「千恵さんはこの神社とはどんな繋がりがあるのですか?」
「お世話になった方の娘さんです。」
この時点では春夫さんと千恵さんとの関係はわかりません。
次の場面に移ります。同じ年代の出来事です。
しげみちさんは舟の上にいます。嵐の中、荒波の舟の上で、神主として嵐を治めようと懸命に祝詞をあげているようです。
が…
「鎮めることはできませんでした。」
何とか無事には陸に戻ることができました。
神社の本殿。
神社は山の上にありますが、そこからは海が見えます。
祝詞をあげています。
ここで神社に祀られている神様においでいただくことにしました。
私「どのような神様がおいでになられましたか?」
「龍神さんです。」
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