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なんとなく、その写真から目を離せないでいると
『次は~伊野瀬~伊野瀬~』
私が降りるバス停に着いた。
「あっ…すいません、降ります。」
後ろの方に乗っていたため、急いでバスを降りる。
扉が閉まる音がし、バスが走って行くのを後ろから見送った。
手には…生徒手帳。
「やば…つい持ってきてしまった。」
バスの運転手に渡せば良かったと少し後悔しながらも
「まぁ、欄工ならそのうち会うか。」
と、手帳を持ったまま家路を急いだ。
途中でいつものスーパーへ寄り、袋いっぱいの食材を手に家へ。
部屋に入るなりドサッと机に袋を置いて、学校の鞄に生徒手帳を入れた。
「よし…。」
鞄を閉め、机の上の袋から食材をすべて取り出す。
手慣れた手つきで容器やお菓子の袋を開けていき、私はいつものように償いという名の儀式を行った。
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