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少し早足でバス停に近付く。
やっぱりそうだ!
絶対…あの人だと思う。
「あの…。」
私は恐る恐る、190㎝のイケメン…ではなく、その隣りに立っていた男子生徒に声をかけた。
この制服、欄工の…
「なに?」
私の顔を、スッと鋭い目が見下ろした。
低く冷たい声。
この人も、なかなか背高いな…
「これ、あなたのでしょ。花火大会の日にバスで拾ったんだけど。」
鞄から生徒手帳を取り出し、男子生徒に差し出す。
私を映していた黒い瞳は、私の顔から生徒手帳へと移り、小さく揺れた。
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