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「俺…」
新庄が、何かを言いかけて言葉を止める。
「……なに?」
「ぃゃ…あっ、お前さ!なんかあった時は、俺でも慎二でもいいから少しは頼れよ。」
「え…」
「お前、人を頼んなさすぎ。たまには言え!なんでも聞くから。」
「な!」っと、梨華さんと同じようなことを言って、新庄は屈託のない笑顔を見せる。
「うん……さんきゅ。」
よく分からないけど、それだけを言い残すと、私の手首を掴んでいた新庄の手からゆっくりと力が抜かれた。
キーン…コーン…カーン…コーン…
5時間目の予鈴を伝えるチャイムが鳴る。
「戻ろ。5時間目始まる」
「だな!」
2人はかけ上がるように階段を上がっていき、瑠美が待つ教室へと急いで戻って行った。
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