消えたもう一人

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彼女の山崎由理は、 その様子を前髪かきあげて少し離れた所で視(み)ていた。 「一誠……。」 「あっ! 由理! 今、呉井さんが……( ̄□ ̄;)!!」 「視てたわ。 呉井さんの尾先(おさき)狐。 一誠に触れたら、 一誠の守護の者に祓われたの。」 「尾先狐?」 「彼女、憑き物筋の家系だと思うわ。 尾先狐を使っているみたい。」 一誠は、はっとして言った。 「斉藤の怪我!」 「私が転校する前の事かしら?」 「あぁ……実は……。」 一誠は、由理に詳しく話した。
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