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「あれはな、両替する前に撫でたりして好感度を上げてからじゃないと百円出してくれないんだよ」
「両替機を撫でながら声をかけるとか、軽くホラーだわ! というかホラー通り越して通報レベルだっての!?」
まるで自分がやってきたように言う前髪。
友人がそんなことをしていると信じたくない天パは、あくまで前髪のボケだと信じてツッコミを繰り返す。
「つまり、ここから両替機と少年のラブロマンスが始まるんだな」
「始まるか!! 広電に何両の電車があると思ってんだよ!? 一両だけに絞りこむとか不可能だわ!」
「いや、そこはレーダー的な何かで察知する、みたいな」
「その為だけに駅に居続けるのか!? お前は広電に何を求めてンだよ!?」
「擬人化。自衛隊とか他の県とかやってるだろ?」
流石に声を荒げてツッコムのは辛くなったのか、鞄から水筒を取り出して中身を煽り始める。
いや、どちらかと言えば水掛け論、泥沼化して延々と続くことになりそうなボケとツッコミを止めたかったのだろう。天パの顔には疲労感と「もうやだこいつ」という呟きが全てを物語っている。
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