いつかの疑問

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「……つまり、」  今まで黙っていた少年が口を開き、天パと前髪はそちらを向いた。  天パと前髪、二人ともキチンと制服を着ているのに対し、着崩し、中の黒いシャツが覗く。  典型的な不良の姿。金髪は、その容姿に似合わぬ真剣な表情で――。 「広電にギャルゲを作ってほしい、そういうことか」 「あ~、そーゆーことね。広電にわざわざ頼み込んでね。……じゃからお前ら広電になに求めてんだっつっとるだろうが!? お前らアホか!?」  思わず水筒を入れていた袋を地面に叩きつける天パ。 「まあ、それは冗談としてだな」 「お前のボケは分かりづらいわ!」 「あの両替にはきちんとした意味があるらしいぞ?」  天パの言葉を完全に無視して言う金髪。  あわよくば自分も参戦しようと事の成り行きを見守っていた前髪と、無視されたことでいじけていた天パが金髪へ視線を向ける。 「広電は、市内以外は各駅代金だよな?」 「そりゃそうだが、それがどうした?」  何を当然なことを、天パが言うのを傍に、前髪はハッと何かに気付いたように金髪を見る。  前髪の視線に気づいた金髪は、前髪の視線の訴えに頷き天パの方を向く。 「各駅で変わるなら、小銭はどうなる?」 「そりゃ百十円からどんどん――っ!? そういうことか!!」 「小銭で払って高くて百九十円。五百円を両替したら五十円と十円が出るのはそういう意味だな!」
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