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「やば。見つかった。」
早乙女さんも真剣に始めた片付けは南主任の声で遮られた。
見つからないわけないでしょう…。
「なんで水たまり?なんで濡れてんの?」
あたり一面には水たまりが形をなしていた。
「タバコ落としたら火ついちゃって」
早乙女さんが申し訳なさそうに一杯になったゴミ袋の口を絞った。
「風邪ひくだろうが。ほら。早くシャワールームいけ。」
私の手からゴミ袋をひったくって、南主任は私たちを追い出した。
カメラがなかったことだけが救いだったのかも。
ポタポタと廊下に垂れる水を払うように、早乙女さんをおいて私はオフィスに戻った。
「ええ!どーしたんすか?」
「なんでもないです。ちょっとシャワールーム行ってきます。」
「あ、はい。」
南 と書かれた鍵をとって、ノロノロと戻ってきた早乙女さんの腕を引っ張ってシャワールームにいった。
一日目で失敗を侵した自分に悔しさを感じながら、洗い流すようにしっかり体をこすった。
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